家族の健康保険

健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを「被扶養者」といいます。被扶養者として認定されるためには、「国内居住」のうえ、「家族の範囲」と「収入」について一定の条件を満たしている必要があります。

POINT

  • 被扶養者となるためには、健康保険組合の認定を受けなければなりません。
  • 被扶養者の異動があった場合は、5日以内に届出をしてください。

家族の範囲

被扶養者となれる家族の範囲は、三親等内の親族と決められています。さらに、同居・別居により、条件が異なります。

収入の基準

被扶養者となるためには、「主として被保険者の収入によって生計維持されていること」が必要です。

同居している場合 別居している場合
対象者の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であること 対象者の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、かつ、その額が被保険者からの仕送額より少ないこと

ただし、被保険者の年間収入の2分の1を超える場合であっても、被保険者の年間収入を上回ることなく、かつ、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしている場合は認めることとする。

被扶養者認定における国内居住要件の追加について

2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません。(海外留学等、一定の例外あり)

国内居住要件の考え方について

住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本で居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。

国内居住要件の例外

外国に一時的に留学している学生等、海外居住であっても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、例外として国内居住要件を満たすこととされます。

【国内居住要件の例外となる場合】

  1. 外国において留学をする学生
  2. 外国に赴任する被保険者に同行する者
  3. 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
  4. 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
  5. 1.から4.までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められた者

国内居住者であっても、被扶養者と認められない場合

医療滞在ビザで来日した方、観光・保養を目的としたロングステイビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。

経過措置について

国内居住要件の追加により被扶養者資格を喪失する方が、施行日(2020年4月1日)時点で国内の医療機関に入院している場合、経過措置として、入院期間中は資格が継続されます。

被扶養者の異動(変更)があったら

結婚や出産などにより被扶養者が増えたときや、就職や別居、死亡などで、それまで被扶養者に認定されていた家族が被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は手続きが必要です。

扶養者の資格確認について

健康保険組合では、皆さまからお預かりしている保険料から支払われる保険給付の適正化を図るため、厚生労働省の指導に基づき、毎年扶養者の資格確認を実施しています。
この調査は、お子さんが就職したあとも被扶養者から外す手続きを忘れたり、収入額の変化により認定基準から外れているのにもかかわらずそのままになっていたり等、過去に被扶養者として認定されたご家族の状況が現在も維持されているかどうかを確認するために調査するものです。
確認時に収入証明などの書類を提出いただきますが、これを提出しないと扶養資格が取り消される場合もあります。
特に別居されている方を扶養している場合は、仕送り証明など仕送りの事実確認ができるものを毎月保管し、いつでも提出できるよう準備していただくようお願いします。