5月31日は「世界禁煙デー」。禁煙や健康について考えてみましょう!

2022年5月25日

5月31日は世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」です。
「たばこ」は吸っている本人のみならず、受動喫煙という形で吸っていない人の健康にも影響を与えており、日本におけるその影響は、約4 兆3,000億円という莫大な経済損失(医療費や禁煙関連の病気にる労働力損失など)として数値化されています。これは、たばこ税収2 兆 4,000 億円をはるかに上回っています。(※1)受動喫煙の危険性やニコチンの依存性も踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題です。

厚生労働省でも世界禁煙デーに始まる1週間を「禁煙週間」(5月31日~6月6日)と定めて様々な普及啓発事業を実施しており、この機会に、禁煙や健康について考えてみましょう!

<禁煙の方法について>
喫煙習慣の本質はニコチン依存症であり、本人の意志の力だけで長期間の禁煙ができる喫煙者はごくわずかであると言われています。
日本では、多くの喫煙者が禁煙できるような支援として、禁煙治療に関する社会環境の整備が進んできています。(※2)
自力で禁煙するよりも、禁煙治療として禁煙外来や禁煙補助薬を利用するほうが、「比較的楽に」「より確実に」「費用もあまりかからずに」禁煙することができますので、禁煙に関心のある方は「禁煙外来」や「禁煙補助薬」を活用してみてはいかがですか。

・禁煙治療(禁煙外来や禁煙補助薬について)
 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-06-007.html

<若者への健康影響について>
今年、厚生労働省は「たばこの健康影響を知ろう!~若者への健康影響について~」を禁煙週間のテーマとしています。
肺がんに罹るリスクは喫煙本数が多いことよりも、喫煙期間が長いことによるリスクがより高く、必然的に若い頃からの喫煙は、がんをはじめ長期の健康影響のリスクがより高くなります。令和4年4月1日から成年年齢が引き下げられた一方で、喫煙に関する年齢制限については引き続き20歳以上とされていること、喫煙開始年齢の早さと全死因死亡に十分な因果関係があることが報告されていることからも、私たちからの若年者への普及啓発が重要となっています。

喫煙はアルコール・その他薬物の使用の入り口となる問題も抱えているにも関わらず、日本は、先進国の中でたばこの価格が安く、若者にとって入手しやすい環境にあります。若者は自身の健康について考える機会が少なく、がんや死に対して長期の影響についても理解しにくい傾向があるため、学校や家庭のみの問題としてとらえず、私たち一人一人が社会とともに啓発していく必要があります。

厚生労働省HP「2022年世界禁煙デーについて」詳細は以下URLから確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202210_00009.html

<参考文献>
※1:厚生労働相:「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」
※2:禁煙治療のための標準手順書第 8.11版